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2006年09月12日

秋 相馬博士を偲んで

 コスモスの花が風そよぐ秋に 

ふっと相馬先生の本を手にしてみました。
昨年すい臓がんと闘いながら他界された「私の愛する北海道農業」という言葉が口癖だった相馬先生です。
相馬先生の語りがそのまま本になっていて、懐かしさでいっぱいになりました。
とはいってもお会いしたことは一度もありません。地方のテレビであの「奥さん」と呼びかける語りには距離感がありませんでした。
 
 家庭菜園のための土地もなんとか手に入れ、私も折り返しの人生を自然の中で送りたく読んでいると、胸が熱くなり感銘しました。
 中でも、「ゆっくり育つ」意味があるということをホウレンソウは冬が旬として書かれていました。
夏場の早く育つホウレンソウに比べて、ゆっくり育った冬のホウレンソウのほうが中身が濃い。
子育ても同じでなにも急ぐことはない。苦労し、不器用でもまっすぐに生き続けた人には中身がある事。
自然の中で、心豊かな人の中で、冬のホウレンソウのようにゆっくり育てる事もよいものと。
 そして自分を大切にし、人間の旬は、生理的な年齢ではなく、心の持ち方であること。
挫折を恐れず、いつでもゼロからやり直す勇気を持ち、希望を掲げ、ありたい自分を探し求めることの大切さが書かれていました。
                                       
 私も不器用な生き方しかできないので、本を読んで涙がこぼれてしまいました。先生の笑顔が浮かんできます。
相馬先生の遺志である地球に優しい、人に優しい、野菜を育て手料理を作り心寂しくしている人に食べてもらいたい。

 相馬博士のように、亡くなられた後も人の心に残るという事が生きた証かな。
こんなふうに生きてみたいと思った秋の一日でした。

投稿者 春野桃 : 2006年09月12日 13:14

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