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2008年08月05日

シミュレーション ゲーム(2)

「社長と社員」

さあ、あなたは最初、どのカードを出す?

もちろん、顔色などで、カードを予測できないものとする。
棄権は認められない。
後出しもなし。もし、あっても、記憶から消し去るものとする。
当然、前の手(カード)の記憶は残っているものとする。
制限時間は一手5分以内とする。
違反したら、負けとする。

総得点は仮に50点全部獲得できたとすると、10ラウンドだから、500点になる。
もし、仮に最悪の場合は、マイナス25点の10ラウンドでマイナス250点となる。
単位は1点を100万円とすると、現実味が出るかもしれない。


この場合、どんな戦略があるだろうか?

ここで、社員を出すハト派路線か、社長を出すタカ派路線が考えられる。

タカ派を選べば、第1ラウンドで、社長を出す。
もし相手も社長を出すなら互いにマイナス25点となる。
とすると、次が難しい。互いに疑心暗鬼だ。
互いに、タカ派同士となり、社長を出し続け、マイナスの連続で、会社の資金繰りが悪化し、倒産するだろう。

また、相手が社員を出した場合、相手は第2ラウンドも社員を出す「お人よし」なのかどうか。
相手が、これに懲りて、社長を出す可能性が高い。
だとすると、やはり次の手も社長を出さざるを得なくなる。
50点(5千万円)は、すぐ底をつく。

そうかといって、ハト派を選び、第1ラウンドで社員を出すと、相手のカードが社長の場合、相手側有利となる。
それでも、次の手も社員を出し、相手の次の手が社員であると期待して、最後まで、社員を出し続ける場合、相手に得点を与えるだけの、「お人よし」となってしまう怖れがある。

以上、得点を上げるには、タカ派同士では、互いに、倒産してしまうので、はじめは、ハト派で始めるだろう。
互いにハト派同士で、ラウンドが進むのではないか。

しかし、それは、疑心暗鬼の道だ。
いつ、豹変するかもしれない。
いきなり、ゼロポイントとなり、相手に得点を50点(5千万円)も献上してしまうかもしれないのだ。
負けたくはない。しかし、得点(収益)を重ねていきたい。
悩むところだ。

とうとう、最後の10ラウンドが、やってくる。
両者共、135点(1億3千5百万円)だ。これで勝負が決まる。
さあ、どっちを出す? 
相手が社員を出すのを予想して、裏切って、社長を出せば、50(5千万円)獲得できる。
185点(1億8千5百万円)にもなる。
その場合、相手は0点だ。
相手より勝ることができる。
「裏切り」がキーワードとなる。両者で3億2千万円を稼いだことになる。
「裏切り」は金になる。

他方、相手も同様に考え、裏切るならば、最終ラウンドは社長決戦となるだろう。
そうだとすると、両者共110点(1億1千万円)で引き分けだ。
両者の獲得金額は2億2千万円となる。
双方の「裏切り」は金にならない。


しかし、もし、裏切らなければ、「信頼」がキーワードならば、互いに、150点(1億5千万円)獲得できるはずである。
「勝ち負け」なしで、両者の獲得金額は3億円となり、事実上の最高金額で、両者が満足する結果となるはずである。

裏切るか、裏切らずに信頼するか、その行動には、常に隠れた計算がある。


それでは、その行動の原動力は何なのか。
なぜ、それほどまでに、ポイントにこだわるのか。
なぜ、それほどまでに、ポイントを増やそうとするのか。
なぜ、それほどまでに、相手よりも、ポイントが低いことを許せないのか。

つぎつぎと、素朴な疑問が湧いてくる。

投稿者 恵比寿 : 2008年08月05日 23:10

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